「薄毛」と聞くと男性に多いイメージですが、実は10人に1人の女性が薄毛に悩んでいるといわれています。つむじ周辺の髪が薄くなってきた、分け目が目立ってきたという方は、女性特有の薄毛を発症しているかもしれません。
本記事では女性の薄毛について、原因や治療方法、薄毛対策として有効なセルフケアをご紹介します。
目次
女性の薄毛が起きる原因
女性の薄毛には複数の原因があり、複合的です。女性特有のホルモンバランスの変化はもちろん、普段の生活習慣に原因などが重なって発症しているケースがあります。主な原因として考えられるのは次の5つです。
ホルモンバランスの乱れ
原因としてまず考えられるのは、ホルモンバランスの乱れです。女性ホルモンの「エストロゲン」は、髪の成長を促す働きを担っています。しかし出産や加齢にともなって、女性ホルモンは減少。これによってエストロゲンの分泌が低下し、薄毛の原因となることがあります。
特に閉経後の女性の身体は、女性ホルモンが著しく減少するといいます。
生活習慣
バランスの悪い食事や睡眠不足といった乱れた生活習慣は、薄毛の原因になります。女性は過度なダイエットで、栄養が不足しているケースが珍しくありません。髪の健やかな成長にはタンパク質やミネラルが必要不可欠ですが、栄養が足りていないと育毛に悪影響を及ぼします。
また睡眠もしかり、髪の成長に欠かせません。成長ホルモンが分泌されることで、髪は寝ている間に最も成長するといいます。したがってこれらの生活習慣の乱れが積み重なり、女性の薄毛を引き起こしている場合があります。
ストレス
過度なストレスを受けると、自律神経が乱れて血行不良を生じさせます。髪に必要な栄養素は血液によって運ばれますが、血行が悪くなると栄養が行き届きにくくなります。どれだけバランスのよい食事をこころがけても、髪まで運ばれなければ元も子もありません。つまりストレスによる血行不良で、髪の成長が妨げられる可能性があるのです。ストレスが間接的に女性の薄毛の原因となる場合が考えられます。
ヘアアレンジ
ポニーテールや編み込みなどのヘアアレンジを習慣にしている女性は、牽引性(けんいんせい)脱毛症を発症している場合があります。
牽引性脱毛症とは、頭皮を強く引っ張ったりすることで毛根や頭皮にダメージがおよび、髪が薄くなる脱毛症のことです。男性よりも髪が長い女性に多く発症するといいます。多くのケースでは負担の少ないヘアスタイルに変更することで、解消できることがほとんどです。
疾患
女性の薄毛は、女性特有の疾患にともなって発症する場合もあります。主にリウマチなどの自己免疫疾患や、鉄分が不足する鉄欠乏症貧血、皮膚の炎症にともなう脂漏性皮膚炎などがあげられます。
特に女性は鉄分不足になることが多く、これによって薄毛が引き起こされることがあります。まずは原因となる疾患の治療に専念することが第一優先です。抱えている疾患を治療することで、薄毛も解消されるケースがあります。
女性の薄毛の種類
女性が発症する薄毛にはいくつか種類があり、その種類に応じて適した治療法があります。適切な薄毛対策や治療を受けるためにも、女性に起こりうる脱毛症の種類を把握しておきましょう。
FAGA/FPHL
FAGAとは女性男性型脱毛症のことを指し、AGA「男性型脱毛症」の女性版といってもよいでしょう。ただし現在では、FPHL「女性型脱毛症」という名称で呼ばれることが多くなってきています。
FAGAの特徴は男性と異なり、頭頂部(つむじ部分)や分け目から広範囲に薄毛が広がる症状が見られます。また発症時期も、男性の場合は20代後半から発症することがあるのに対し、女性の場合は更年期に発症することが多い傾向です。
FAGAの主な原因として、ホルモンバランスの変化が大きく関係しています。とくに加齢とともに女性ホルモンが減少していくことから、40〜50代の女性に多発する傾向にあります。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、コインのような円形に髪が抜け落ちてしまう脱毛症のことです。男女ともに起こりうる脱毛症で、円状に脱毛することから、いわゆる10円ハゲとも呼ばれています。考えられる最も有力な原因としては、自己免疫機能の異常です。免疫機能が何らかの要因で異常を起こし、毛包組織を攻撃してしまうことで脱毛すると考えられています。
牽引性(けんいんせい)脱毛症
牽引性脱毛症は、髪を強く結んだり編み込んだりする女性に多く見られる脱毛症です。頭皮に負荷がかかるヘアスタイル(ポニーテールや三つ編み、オールバックなど)を習慣にしていると、頭皮や毛根にダメージを与えてしまうことがあります。また頭皮を強く引っ張ることで、頭皮の血行不良が生じることがあるといいます。
粃糠(ひこう)性脱毛
粃糠性脱毛は頭皮の洗いすぎなどによってフケが発生し、頭皮環境が悪くなることで髪が抜ける脱毛症です。頭皮を清潔に保つにはシャンプーが欠かせないですが、洗いすぎはかえって逆効果を招きます。必要な皮脂を洗い流してしまうことで頭皮が乾燥し、かゆみや炎症、フケを発生させてしまう恐れがあるのです。適切なヘアケアで頭皮環境を保つことが重要になります。
脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症は、脂漏性皮膚炎の発症にともなって起こる脱毛症です。脂漏性皮膚炎は、頭皮の皮脂分泌が過剰になることでかゆみと炎症が生じます。主な原因としては、脂質の多い食べ物や刺激物、アルコールなどの過剰摂取です。食生活の改善と適切な頭皮のケアが必要になります。
産後脱毛
産後脱毛とは、出産後に抜け毛が一時的に増える脱毛症のことです。妊娠中は女性ホルモンが多量に分泌されることで、「成長期」が一時的に延長している状態になります。しかし産後に女性ホルモンが一気に減少することで、髪が休止期となり、髪が大量に抜け落ちてしまいます。あくまで一時的な症状で、おおよそ半年から1年で薄毛は解消されるといわれています。しかし、産後の育児による睡眠不足・ストレス・栄養不足などが原因で、もとに戻りづらい場合があります。
さらに最近では高齢出産も多く、年齢によって髪の発毛力が落ちていることから、薄毛が長引いてしまう場合もあるといいます。
女性の薄毛治療
女性の主な薄毛治療として育毛剤や発毛剤、内服薬を使った治療があります。市販の薬も一定の効果は期待できますが、専門のクリニックで処方される治療薬が最も安心で効果があります。クリニックでの薄毛治療とともに、日々のセルフケアを合わせておこなうとより効果が高まるでしょう。
脱毛症の種類や原因によっても、適切な治療法は異なります。専門医による正しい診断を受けたうえで、発毛剤や内服薬による治療をおこなうことがおすすめです。
自宅でできる女性の薄毛の対策方法
自宅で気軽にできる女性の薄毛対策があります。日々の生活に取り入れて、対策・予防をしていきましょう。
頭皮マッサージをおこなう
頭皮マッサージをすることで、血行不良の改善が期待できます。髪の発毛を促進させるためにも血行を良好にし、頭皮環境を整えることが大切です。しかし極端に強いマッサージは、かえって頭皮にダメージを与えてしまう可能性があるので注意です。入浴中や髪のヘアケアと合わせて、優しくマッサージするとよいでしょう。
頭皮ケアおこなう
頭皮環境が悪化すると薄毛につながります。清潔で健康な頭皮を保つためにも、日頃の適切なケアが大切です。
汚れをしっかり落とす洗浄力のあるシャンプーもよいですが、逆に洗い過ぎは必要な皮脂を落としてしまうことがあるため注意が必要です。シャンプーは刺激の少ない、保湿成分を配合したものをおすすめします。また、髪のダメージを補修するトリートメントもよいでしょう。しっかり髪を乾かしたあとは、洗い流さないトリートメントを使ったヘアケアも有効です。
食生活を見直す
女性は急激なダイエットによる栄養不足や、生理による鉄分不足が薄毛につながることがあります。食生活を見直し、髪に必要な栄養素を積極的に取り入れることが、薄毛対策の一助になるといえるでしょう。特に取り入れたい栄養素は、タンパク質・ビタミン・亜鉛・鉄分などです。また、ホルモンバランスを整えるためにも、大豆製品(豆乳・豆腐など)の摂取をおすすめします。
睡眠をしっかり取る
十分な睡眠を取ることは髪の健やかな成長を助け、薄毛対策につながります。髪は寝ている間に成長ホルモンが分泌されて成長します。質のよい睡眠を取るためにも、寝る前のカフェインの摂取やスマートフォン・パソコン操作などは控え、十分な睡眠時間を確保しましょう。
薄毛が改善しない場合は専門クリニックを受診しよう
セルフケアで薄毛の改善がみられない場合は、専門のクリニックを受診しましょう。女性の薄毛はさまざまな原因が考えられますが、そのなかでもホルモンバランスの乱れによるFAGAは、セルフケアによる改善が困難な脱毛症です。短期間で確実な発毛を叶えるためには、専門医からの診断による適切な薄毛治療が必要です。
湘南のFAGA治療は、ホルモンバランスを整えて抜け毛を予防し、薄毛の進行を食い止めます。薄毛の専門医によるカウンセリングで、適切な治療をご提案。生活習慣の改善指導も同時におこないながら、確実な発毛へと導きます。
薄毛のお悩みは一人で抱え込まず、私たち専門医に相談してみませんか。カウンセリングは無料です。まずはお気軽にご相談ください。
関連記事